アメリカンピザ、本場ナポリピザ、ローマピザ……。ピザは世界中の人に愛される料理の一つです。日本にもイタリア料理店で食べる本格薪窯ピザやデリバリーピザ、最近では家庭で手軽に作れるピザレシピも人気です。しかしどのピザの味も同じではなく、それぞれに違いがあります。例えばデリバリーピザとイタリア料理店で食べる本格石窯ピザは全く別の料理のように感じます。実はこれは焼き上げる窯に大きな違いがあるからです。今回はピザ窯についてご説明いたします。
ピザ窯によって焼き上がりや使い勝手、コストが全然違う？
ピザ窯に用いられるものは大きく分けてガス窯、薪窯、ペレット窯などがあります。それぞれに焼き上がりの特徴や用いるエネルギー源、ランニングコストが異なります。特にお店でピザを提供されている、または提供の予定がある方が気になるのは「ランニングコスト」ではないでしょうか。それぞれの窯の特徴やランニングコストにスポットを当てて進めてまいります。
ガス式ピザ窯の特徴とランニングコスト
ガス式ピザ窯の特徴
ガス式のピザ窯の特徴はなんといっても、とても手軽にピザを焼けること、お手入れが簡単なこと、一度に大量のピザを焼けるところにあります。デリバリーピザのチェーン店のほとんどはガス式のピザ窯を採用しています。耐久性のある素材を使用しているため、一度導入すると30年ほど使い続けることができます。また、操作がとても簡単なため知識と経験のないアルバイトの方でもボタンを押すだけでピザを焼くことができます。本格ピザ特有の木の香りやパリッとした香ばしい焼き目はつきませんが、それでも十分おいしく焼くことができます。
ガス式ピザ窯のランニングコスト
ガス式というだけあってエネルギー源はガスです。ガス窯を一日フルで使用し続けた場合、大型の窯であれば1日2,000～3,000円程度、小型であれば1,500円までが目安です。安全面にも配慮している機器がほとんどなので温度管理も自在です。
薪式ピザ窯の特徴とランニングコスト
薪式ピザ窯の特徴
美味しいピザ専門店は必ずといっていいほど、お店それぞれにこだわりぬいて造られた薪窯が設置されています。窯は造って終わりでなく、日々育てていくものです。薪をエネルギー源にする薪窯は日々の気温や湿度によって薪の燃え方が違うため窯の温度も変わってきます。経験と知識により薪を燃やす量やピザを入れる位置に工夫が必要です。おいしいピザを焼き上げるには窯を操る熟練した技が求められます。そうした技術の上に焼き上げられたピザは絶品です。ガスで焼いたピザよりも薪窯で焼いたピザをおいしく感じる方が多いのではないでしょうか。薪窯で焼いたピザは表面がパリッとしていて、中はもちもち。特有の香ばしい香りは薪の香りがピザに移ったものです。
薪式ピザ窯のランニングコスト
薪式ピザ窯には薪を使用するのですが、使用する薪の量はその日の気候によって多少異なりますが、1日5～7束が目安とされています。だいたい1束あたり700円前後のため、1日のランニングコストは3,500円～4,900円程度となります。温度管理は薪を燃やす量で調節するため非常に難しいです。
もっともランニングコストがいいのはペレット窯
ペレット窯の特徴
ガス窯と薪窯の両方のよいところを併せ持つ新しい窯「ペレット窯」。ペレット窯は、見た目はオーブン形式のピザ窯ですが、薪ではなくペレットと呼ばれる廃材を使用した木材を燃料として使用します。温度設定も自動調節可能でどなたでも使いやすく、ペレット木材の作用により薪窯で焼いたような本格的な香ばしいピザが楽しめます。オーブンのためお手入れやメンテナンスも非常に簡単です。ペレットの量を調整することにより450℃まで上げられます。
ペレット窯のランニングコスト
ペレット窯の燃料は木質ペレットという環境に優しいエネルギーを使います。しかもランニングコストがかかりません。窯の大きさにもよりますが、1時間ほど燃焼させるのに約1kgあれば十分です。ペレット燃料はだいたい1kgあたり70円ですから、仮に8時間稼動させたとしても1日560円で、かなりのコスト削減となります。コンパクト設計なので移動販売やイベントの出店時にも大活躍します。
また、ピザを焼いている予熱でローストビーフやパンなども調理できるので燃料費の節約にもつながります。
まとめ
ピザ窯のランニングコストをピザ窯の種類別にご紹介しました。ピザ窯によって焼き上がりの味や、使用時の特徴、ランニングコストの大きな違いに驚かれた方も多いのではないでしょうか。ガス窯にも薪窯にもそれぞれメリットやデメリットがありますが、どちらのいいところも取り入れたい方はペレット窯を検討されてみるのもおすすめです。
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