ピザは生地を伸ばして、チーズや具材をのせて焼き上げるシンプルな料理で、日本でも大人気のイタリア発祥の郷土料理です。
一般的に粉物商売は原価率が低いとされていますが、ピザの場合はどのようになっているのでしょうか。
今回はピザを作るうえでかかる原価について、どのくらいの原価なのか、また原価を抑える方法についても解説します。
1.ピザの材料別原価の目安
世間において公開されている情報が多く、その原価が最もよく知られている宅配ピザ店を例に挙げましょう。
ここではMサイズ2,000~2,500円のピザ1枚あたりの原価は、300~400円ほどとされています。
ピザの材料といったら、まず何が思い浮かぶでしょうか。基本的には「生地(小麦粉)」と「チーズ」、そして「肉類や野菜類などのトッピング」、「ソース類」にざっくり分けられるのではないでしょうか。
残念ながら、材料別の原価の詳細な数字は明かされていません。
そのため原価の把握には、世間に公開されている推測や関係者から聞き取った、限定的な範囲で判断するしかないのが現状です。
推定では宅配ピザの原価は15%~20%程度といわれています。
その内訳として、各宅配ピザチェーンの関係者によれば、材料費として計上される原価の中で最も高いのはチーズで、食品原価の40%ほどを占めているといわれています。
また輸入品であることや各社こだわりのチーズを使っていることから、変動も大きいとされています。
そのほかの食材については、ソース類が原価の約10%で30円前後、生地の小麦粉が30~60円程度です。
そのほかの肉や野菜などは大手の場合一括大量購入で費用を抑えてはいますが、肉類が多い場合は原価もそれだけ高くつき、ときにはチーズ以上の原価になることもあるようです。
まとめるとMサイズ2,000~2,500円の宅配ピザの食品原価は、30~40%がチーズ、20~30%が生地とソース類、そのほかが肉や野菜などのトッピングになるというのが大まかな目安です。
2.材料費以外の原価
とくに宅配ピザの場合は、材料費以外の原価が上乗せされてきます。
基本的に大きいのは、人件費です。宅配ピザの場合配達コストが人件費としてかかってくるため、ざっくり時給900円のアルバイトが往復1時間かかる配達を行うと900円の人件費がかかります。
一般的には片道20分ほどと見積もっても、600円くらいはかかってくることでしょう。
また大手のピザチェーン店の場合、販促のためにサイドメニューのサービスをつけ、30分以内に配達ができなければ割引、お持ち帰りの場合はもう1枚無料などのサービスを展開しています。
原価に対する人件費の差し引きなどで、こうしたサービスを維持しています。
原価300~400円に対して、配達の人件費は最低でも600円ほどかかります。
持ち帰りだともう1枚無料のサービスは、配達の際にかかる人件費の分、もう1枚提供しても利益が出るのです。
3.原価率をどう計算するか?値付けはどうすべきか?
ピザ屋に限らず継続的に利益を出していくためには、どのように原価率を計算すべきなのでしょうか。
一般的に利益を出すのに理想といわれている比率をご紹介しましょう。
まず食材原価は27~30%、持ち帰りや配達用の容器代を含めると35%ほどが材料費となり、これが販売価格の中で最も大きいコストです。
次に大きいのが人件費で、大体売価の20%ほどといえます。
そして物流コストは、売り上げの10%未満に抑えるべきといわれています。
アルバイト配達員の時給を考えた際に、物流コストを10%未満に抑えるとすれば、最低配達金額を設定して物流を回していく仕組みを作ることが大切です。
こうしたことから総合すると、大まかな目安としては食材原価を35%とし、人件費を20%とします。
そして物流コスト10%とし、そのほかかかってくる販促費を5%、諸経費を大まかに5%とした総計75%を原価とします。
そこから純利益を残り25%として回していけば、安定して利益が得られると考えられるでしょう。
たとえばざっくり2,000円と考えたとき、食材原価700円・人件費400円・物流コスト200円・販促費100円・諸経費100円となり、ピザ1枚あたり500円ほどの利益になるモデルが理想になります。
実店舗の場合は人件費や物流コストなどを大幅に割引できますので、宅配ピザよりもざっくり1,000円ほど安く販売しても利益が出る計算になります。
4.原価を抑える方法
ピザは比較的原価を安く抑えられはしますものの、安定して収益を出していくためにはできる限り原価を下げることが重要です。
ここではできる限りピザの原価を抑える方法をご紹介します。
4-1.業務用の食材の種類を絞り大量に安く仕入れる
さきほども説明した通り、原価において最もコストがかかるのは食材費です。
この食材コストをできる限り安く抑える方法は一つしかありません。それは業務用の食材を大量に仕入れ、かつ材料の種類を絞り込むことで、ピザ1枚あたりにかかるコストを落とすことです。
ピザ屋に限らず飲食店を営業し利益を維持しようと思ったら、同じ食材をできる限り大量に仕入れ、業務用の規模で1枚分あたりの単価を低く抑えるのが最も効果的です。
これは仕入れの際に業者とうまく交渉することが求められます。
この食材原価を大幅に落とせれば、より安く売ることも可能になり、安いと回転率も上がるので利益も上がりやすくなります。
4-2.ターゲッティングを行い広告宣伝費をできる限り安く抑える
とくにデリバリー型のピザ専門店は、広告宣伝費をかけないとお客が増えていきません。
しかしあまり多く広告宣伝費をかけすぎますと、かえって赤字になってしまいます。
できる限り広告宣伝費を抑えるには、ただ闇雲に広告を打たずターゲットを絞ったマーケティング戦略を考えましょう。
そのために想定したターゲット(広告用語でこれをペルソナといいます)に向けて、集中的に広告を打っていくことが重要です。
たとえば自宅でピザを食べたいファミリー層を想定しているなら、新聞に折り込みチラシを入れてもらい、ダイレクトメールをポスティングするといった手法に集中するのが効果的です。
逆にピザが大好物でたくさん食べてくれる若者層を取り込みたいなら、TwitterなどのSNSでの宣伝を強化するのが効果的です。
チラシを作る際には割引クーポンをつける、ネットを使った広告戦略ならポイント倍付けや割引を実施するなど、目を惹く工夫も大切です。
その中でも売上高とのバランスを見つつ、割引率はよく吟味する必要があります。
5.まとめ
今回はピザ屋の原価について、目安となる食材別の原価や材料費以外の原価や、原価を落とす方法などを説明しました。
原価を抑えて高く売るのが商売の基本ですが、あまり高く設定しすぎるとお客さんが集まりません。
売価は利益率25%前後を基準に、バランスよく設定する必要があります。
ピザのクオリティ、またピザ屋のランニングコストにおいて重要な立ち位置を占めるピザ窯は、一般的には高コストとなることでしょう。
ウェックの開発したペレット窯「BAKECOOK(ベイクック)」であれば、導入費用もランニングコストも抑えられます。
導入費用は一般的な薪窯に比べ5分の1以下で済み、燃費などのランニングコストも薪窯の5分の1程度で済みます。
導入費用、ランニングコスト共に大幅に落とせます。なるべく原価を落とすなら、ぜひベイクックの導入を検討してみてください。
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